2023年度 第5回新家庭医療勉強会の開催報告

10月26日に第5回新家庭医療勉強会が開催されました。今回は「実践に即したケア移行における情報共有・紹介状作成のコツ」について、ヒカリノ診療所 平山匡史 先生からご講義を賜りました。

ケア移行とは、継続的な加療を要する患者が、保健医療サービスを受ける医療機関や療養の場所を移行し、ケアの提供者が変わることを指します。平山先生は現在診療所で精力的に訪問診療に取り組まれており、プライマリケア医の目線から、(高次)医療機関からプライマリケア医へのケア移行に焦点を当てて講義をしていただきました。ポイントとして、①高次医療機関では入院の時点からケア移行を想定し、退院支援の必要性の検討や連携室への介入を依頼すること、②退院支援カンファレンスを積極的に開催し、退院後に必要な医療・介護面のケアについて入院担当医、コメディカル、患者とその家族、プライマリケア医での情報共有を図ること、③診療情報提供書はタイミング(プライマリケア医の初回外来まで)や内容(処方情報、説明内容、継続を要する処置、ACPの状況etc)が非常に重要であること を教わりました。

高次医療機関での研修の多い専攻医にとって、今後ケア移行に携わる際の注意点について、学びの多い講義をいただきました。私も週一回クリニックでの外来や訪問診療に携わっている人間として意識的にケア移行を行っているつもりではありましたが、今後より一層、患者とその家族に寄り添ったスムーズなケア移行ができるよう精進してまいりたいと思います。末筆ではございますが、平山先生、貴重なご講義を賜りありがとうございました。

文責  筒井 勇貴