第7回 Common diseases輪読会

12月8日にzoomにて第7回Common diseases輪読会を行いました。 

大分大学医学部附属病院総合診療科から吉村 亮彦先生をお招きして、第42章「尿路感染症」、第47章「伝染性単核球症」、第49章「帯状疱疹」を扱いました。

尿路感染は研修医の頃から入院症例で担当することも多く、最もcommonな感染症ですが、膀胱炎から前立腺炎、腎盂腎炎まで幅広い範囲を再学習しました。特に診察・診断で悩むことの多い前立腺炎について、診療経験のある先生から直腸診のコツやPSAの測定意義、抗菌薬選択を学びなおすことができました。また、地域での抗菌薬耐性は清書や参考書から学ぶことができず、非常に有意義な意見交換ができたと思います。

伝染性単核球症についても体系的に学べた他、頻繁に問題になるA群溶連菌咽頭炎との鑑別や抗菌薬投与の可否/選択についても、一般論に経験談を交えて討論を行うことでさらに理解を深めることができました。知名度の高いCentor criteriaや溶連菌迅速抗原検査についても感度・特異度についての解釈は意見が分かれることが多く、判断に悩む場合は中間選択肢としてのキノロン製剤の存在は今後の臨床に活きる知識になりました。

帯状疱疹も初期研修で診療にあたることの多かった疾患ですが、専門医に紹介すべきタイミング(三叉神経第1分枝領域、顔面神経麻痺の進行、内耳神経障害の出現)や、ワクチン接種の勧め方・タイミングなど、プライマリケアとしての対応に重点を当てて討論を行いました。丹毒との鑑別や無疱疹性帯状疱疹についても改めて学びなおすことができました。

今回もご参加いただきありがとうございました。年度初めに開催された第1-2回の頃に比べて専攻医の意見交換やClinical questionの水準が全体的に上がっており、各専攻医がそれぞれの施設で様々な症例を経験してきていることを節々で感じることができました。また、伝染性単核球症の単元からは宮﨑教授にも飛び入り参加をいただき、より活発に討論ができたと思います。ご指導をいただいた吉村先生、宮﨑先生に、この場を借りて改めて感謝申し上げます。

次回は1月12日、第51章「月経困難症」、第52章「更年期障害」を扱います。オブザーバーとして、大分大学医学部附属病院総合診療科から山本 恭子先生にご参加いただく予定です。より多くの専攻医の皆様のご参加を楽しみにしております。

<Common diseases輪読会>

●日時:毎月第2木曜日 18時30分~
●内容:Commom Diseases Up to date 南山堂

当日はよくわからなかったところ、印象に残ったところをピックアップし、自分の経験と照らし合わせながらの振り返りを含めてディスカッションを行います。

文責  筒井 勇貴