2023年度 第4回新家庭医療勉強会の開催報告

9月28日に第4回新家庭医療勉強会が開催されました。今回は「診療所での感染症対応」について、大分大学医学部付属病院大分大学医学部付属病院 平林礼奈先生からご講義を賜りました。

診療所と高次医療機関では、施行できる検査の種類や結果判明までの所要時間、入院設備の有無、外来患者総数などが異なるため、同一の主訴や疾患でも検査・治療におけるアプローチが異なります。さらに感染症においては、微生物学的検査の可否や採用抗菌薬の種類も影響してきます。そのため診療所では、感染症(らしい)患者に対して「確証のないまま」「短時間で」アセスメントや治療選択を行うことが迫られます。そんな中で検査に頼らず診療速度・精度をあげるためのノウハウを、前半はレクチャー形式で、後半は専攻医からの質疑応答形式でご教示いただきました。詳細な病歴聴取、網羅的な身体診察や、原因微生物が特定できないまま加療を開始する際の意識やコツ、出席者の各施設での差異など、実臨床に沿った内容を学習させていただきました。

カリキュラム上、専攻医はこれまでは高次医療機関での研修が多く、外勤先や将来勤務する診療所診療のために、非常に有意義な学びを得ることができました。平林先生、貴重なご講義を賜りまして、ありがとうございました。

文責  筒井 勇貴