2022年10月27日に専攻医向けレクチャーが開催されました。

2022年10月27日に、ハワイより佐藤 絵梨先生(SimTiki Simulation Center)より「Bad news telling」をテーマにリモートにてご講義いただきました。

日々診療を行う中でどうしても「悪い知らせ」を伝えなければいけない場面は多々あります。その中で患者のリアクション、理解度に合わせ適切なタイミングで適切な言葉をかけることや皆が満足できる説明ができるかどうかなど様々な点で難しさを感じています。その中で今回はSPIKESモデルを念頭に置いた「悪い知らせ」の伝え方についてレクチャーをいただきました。

SPIKESモデルとは悪い知らせの際に使用する、ステップを踏んだ話し方の流れで、場の設定に始まり(S)、患者の病状認識(P)、患者がどこまで知りたいと思っているのか(I)、知識の共有(K)、共感を持った感情への返答(E)、今後の目標とまとめ(S)という流れになっています。その中で適切な語彙を選ぶことが重要となっており婉曲的表現を避ける(例:おそらく厳しいかもしれません→近いうちに心臓が止まります等の直接的表現)、や専門用語をなるべく使わないような心がけが大切になってきます。また感情や態度を伝える際に矛盾したメッセージを発したとき、他人が受け止める影響の度合いは、言語情報が7%、どのような態度で話すかが38%、非言語(body language等) 55%であるように言語以外の医師側の態度や表情などが非常に重要であり、患者の感情表現への受け止め方(NURSE)の技術など様々な技法について教えていただきました。

その後早速医療チーム側、患者、家族側に別れ症例を用いてロールプレイを行いましたが、感情に対するレスポンス、言葉の奥にある患者、家族の心配や後悔、怒りなどうまく引き出すことができませんでした。今回のご講義を復習し、一つ一つの言葉や声掛け、沈黙の時間いずれも有効に使いつつ、患者、家族に寄り添った伝え方を少しでも向上できればと思います。

今回は海外より、お忙しい中お時間をいただき貴重なご講義をありがとうございました。

次回の専攻医レクチャーは藤谷先生による、プライマリ・ケアで診る整形についてご講義頂く予定です。

文責-後藤 亮