2022年5月26日ポートフォリオ勉強会

当科では、毎月第4週木曜日に専攻医のポートフォリオ勉強会を開催しています。
指導医からのレクチャー及び、専攻医がポートフォリオの各テーマについて学んだ内容を発表する場となっています。
その後、ポートフォリオ作成実践について個別面談が行われます。

2022年5月26日より今年度の各レクチャーが本格的に開始となりました。
今回の専攻医からの発表は、筒井先生より「BPSモデル」についてでした。

先生が経験された、コントロール不良の糖尿病患者さんでの経験をベースとしたレクチャーでした。
内服アドヒアランスなどが不良の原因について詳しく患者さんの状況を整理してみると、そもそもの糖尿病によるリスクや治療によるベネフィットについて患者さんと医療者側との共通の理解基盤ができていないことによるアドヒアランスの低さや、正職を失ったことによる金銭面の問題、バイトを掛け持ちにしていることにより不規則な生活となっていること、その中で子育てもしないといけないなど、多くの問題点が存在することが判明しました。

それぞれについてBPSモデルに当てはめることにより本症例の問題点が整理され、かつ、BPSそれぞれの項目の問題点が他の項目の問題点にも繋がっていることや(リスクの理解が不十分なため治療意欲が高まらず内服アドヒアランスが悪い、バイトで忙しいから規則正しい食事ができず糖尿病悪化につながる等)、逆に言うと一つひとつ問題点を改善することにより相互作用で他の項目の問題点も解決に向かうことが明確となり、その後の療養指導へとつなげることができたという内容でした。

さらに、患者さんの状況の把握にはカキカエ(解釈、期待、感情、影響の頭文字)が重要であるというお話もありました。

次回は、6月23日 岩間先生より「地域包括ケアを含む地域志向アプローチ」について発表していただきます。
私自身も専攻医として非常に楽しみにしています。

文責:堀之内 泰雄